電子的なコミュニケーションにより、身体は透明化。
探し求めるのは隠れ蓑。暖かいのか冷たいのか。実態がなければ温度も不明。
美しくも危険であるケーキ。標本となった身体に残るものは一体何なのだろうか。
光化学?物理学?哲学?
透明とは。235とは。
今回の企画について
これまで県内のアート作品やイベントに出演してきたダンサー三木優希が、「新しい舞台の可能性を探り、
この土地で新たな文化を生む」というコンセプトの元、県内の造形・美術アーティストたちとともに、
コンテンポラリーダンスを軸としたインスタレーション公演を行います。
公益社団法人置県百年記念香川県文化振興財団より、香川県文化チャレンジ事業として助成を頂き
上演する運びとなりました。香川という土地から生み出すことにより、県内外へのPR による観光や経済に
良い影響をもたらすことができるような舞台事業として発展させて行きたいと考えております。
多島海広がるこの土地で出会い生まれた作品を、沢山の方に観ていただけますと幸いです。
●「透明人間235」とは
人間が作り出したものは全てが原子の組み合わせによって生み出されます。そこには人間の意識も関わり、
それによって環境が変わっていくように、小さな世界では全てが繋がっていると私は考えています。美術と
身体が同時にいる意味、それを大きく比喩する社会的な要素。個人個人違う色が集まった集合体は危険思想
のイエローにもブラックにも染まるのではないでしょうか。「透明」とは本来、集合させた沢山の光の色によ
り出来あがるものです。今回はそういったコンセプトを元にジャンルの異なるアーティストと共に新しい表
現方法を探しながら作品を作りたいと思います。多島海広がるこの土地だからこそ出会い、生まれた作品を是非ご覧下さい。
〇コンテンポラリーダンスとは
現代舞踏、広義にはモダンダンス以降の創作舞踏をいい、狭義には1960年頃から広がりを見せた前衛的、実験的な舞踏を指します。「現代の」まさに「今、この瞬間」に作り出されるイメージであり、新しい要素を含んだ踊りとされることが多いです。今までにはない踊りを創作していく、前衛芸術でもあると言えます。
日本におけるコンテンポラリーダンスは、既存の踊りの枠に収まらないダンスであり、時代が新しくなるとともに本来のコンテンポラリーダンスの定義は新しい創作の出現によって変容していくものであると言えます。決まった型がなく、正解も不正解もありません。知識や技術よりも踊り手の心を表現し、伝えることが重要視されているという特徴を持っています。あらゆる感情を身体表現と言う手段を用いて第三者に伝えるという、表現の方法の一つとされることが多いでしょう。
〇三木優希の考えるコンテンポラリーダンスとは
作品を作ることが今の自分を表現すること、それはそのまま生きることを踊っているような感覚です。その時を感じることや考えることそれ自体が作品となり、身体の見え方だけでなく五感や時にはそれ以上の感覚で動いています。たとえば踊り方と一口に言っても、仕草、その人が生きてきた癖のある体、ただたたずむこと、目線だけや、体の中の感覚を変えることなど様々なところから生まれてくるものです。同時に物や美術、音、場所など様々な物事と関わりを持つことができ、総合的な舞台へと昇華させることができます。もちろん、ダンスの一般的なテクニックも踊る上では重要になりますが、現在のダンスと呼ばれるものの中では最もフリースタイルに近いと考えます。
〇インスタレーションとは
インスタレーションを一言でいうと、展示空間を含めて全体を作品とし、見ている観客がその「場」にいて
体験できる芸術作品のことをいいます。観客は五感を使って空間を味わうのです。
●アーティストプロフィール
〇ダンス/三木優希
愛媛県出身。大学にてダンスをはじめ、小作品の発表や様々な振付家の作品へも出演。
卒業後は生演奏との即興を軸に活動する。
結婚・出産を機に香川県へ移住し、中距離型ユニットEclogionとして
香川、京都、東京にてこどもワークショップや、
出演者を募り振付・演出を行う形式の公演を行っている。
チェロやギターやピアノなどの生演奏の公演や、
重要文化財の米蔵などでも公演を企画。
また、ダンサーとしては、星屑ロケッターズにて
愛媛、岡山、神戸など各地での公演に出演。
現在、高松市派遣事業の芸術士として、保育園にて活動も行っている。
ダンスという言葉にとらわれず、野外演劇やまちあるき演劇への出演、
地元劇団公演や現代サーカスなどにも関わる。
出演作品
2010年『l‘ouf~おいしいものはベツバラ』(瀬戸内国際芸術祭関連事業)出演
2011年『沈黙もまた、重力に抗って』合唱とのコラボダンス出演
2013年『舞台芸術家のための音楽セミナー』ダンスアシスタント(愛知芸術文化センター企画制作)
2015年4月~高松市派遣事業「芸術士」として活動開始(コンテンポラリーダンス)
5月星屑ロケッターズ『ニワカオルタ』出演
9月まち歩き演劇『パラダイス仏生山』出演
10月Eclogion第一回公演『にじからみる昼の月額縁に飾るサルノコシカケ』
共同演出・振付・出演
11月星絢ロケッターズ『Air』(松山市)出演(個人作品:共同振付)
(ssw/矢野絢子さんとのコラボ公演)
2016年5月paltanz企画『声の先踊る景色』(京都市)出演
7月~指輪ホテル『讃岐の晩餐会』(瀬戸内国際芸術祭)出演
7月星絢ロケッターズ『Air2』(岡山市)出演(個人作品:共同振付)
9月Eclogion第二回公演『ゆらぎ続ける生の踊り』企画・共同演出・振付・出演
9月星絢ロケッターズ『Air3』(神戸dancebox)出演(作品内ソロ)
11月まち歩き演劇『パラダイス仏生山』出演
12月瀬戸内サーカスファクトリー『実験劇場』
2017年2月GoldRush公演『lovesong』朗読とダンスのコラボ
4月コキカル『白秋と夫、その妻とスズメ』振付・出演
5月『廃校グルーブ』Eclogionパフォーマンス出演
5月多度津チャレンジデー講師
8月24のプレリュードliveパフォーマンス(愛媛・高知)
11月瀬戸内サーカスファクトリーSETO LA PISTE『マレビト、来たる。』パフォーマンス
2018年3月スタジオMOGA20th『FLYFLYFLOWER』特別記念公演 星屑パフォーマンス
〇インスタレーション/ルカ・ローマ
1972年、イタリアミラノ生まれ
1997年Brera Academy ファインアート彫刻卒業
1995-2000年テレビ、おもちゃ工場の彫刻指導として勤務
2000年日本へ
2000-2003年”森の彫刻家”藤部吉人に師事
2003年高松・牟礼にて自身のスタジオ開設
香川県展において外国人として初の県知事賞受賞
2002年-2017年様々な個展、グループ展、アート企画、イベントに参加
〇切り絵/長谷川隆子
愛媛県出身、観音寺市在住。
京都市立芸術大学大学院美術研究科修了。愛媛大学非常勤講師。
子ども絵画造形教室「アトリエKUCCA」主宰。
香川県内では芸術士としても活動し、子どもとアートを身
近につながるような活動を積極的に行う。
長年手がけている巨大な「蝶」の切り絵作品をサイトスペシフィックに展開する。
作品の造形美が織り成す映像(影)も見所の一つ。
〇衣装/平川めぐみ
大阪・東京でアパレルデザイナーを務めたのち帰郷し、
香川県の伝統的工芸品、保多織を使ったブランド「ツムギ」の企画デザインの他、
舞台衣装の制作やファッションにまつわるワークショップなどを行う。
Dance Installation Performance
「透明人間235」
【日時】2018年7月28日(土) 19:00~、
2018年7月29日(日) 14:00~(開場は開演の30分前)
【会場】サンポートホール高松第1小ホール
【チケット】一般前売1800円/当日2000円
学生前売1000円/当日1200円(未就学児無料)